09/09/01 13:42:31
韓国国税庁の統計によれば、2008年のマッコリ(米や小麦を原料として作る韓国のどぶろく)輸出量は年間5457キロリットル。
そのうちの4892キロリットル(89.6%)が日本への輸出だったそうだ。日本では2004年頃から韓国ドラマブームが起こり、
その影響もあって韓国料理店が増加。マッコリはアルコール度数が6~9度ほどと飲みやすく、口あたりのよい酒として人気を集めた。
近年は輸入銘柄も増え、マッコリを専門とするバーまで登場している。こういった日本での需要を受け、
韓国内のマッコリ業界は日本の市場に熱い視線を向けている。
韓国の南西部にある全州市は韓国でもマッコリ人気の高い地域。市内にはマッコリ専門の居酒屋が集まるエリアがあり、
マッコリタウンの名で観光の目玉になっている。日本からも多くの観光客が訪れているが、
その人気を直接日本へ持ち込もうとの試みが始まっている。市内大手の全州酒造は日本に全州ジャパンという法人を置き、
全羅北道、全州市の後援も受けつつ新たに輸出用の工場を設立。9月初旬に完工予定で、
同下旬には「全州マッコリ」の名前で正式輸出を始める予定だ。
いち早くその入荷を決めた東京、板橋のマッコリバー「Orange」にて、試飲をさせてもらいつつ、その特徴について尋ねてみた。
「いちばんの自慢は水のよさ。全州はもともと水がよいことで知られており、市内で採水した地下岩盤水を使っています」と
全州ジャパンの李明植社長。将来的にはマッコリをベースとする全州地方の地酒「母酒(モジュ)」の輸出も視野に入れるなど、
意欲を燃やしている。
韓国の南端に位置する済州島からも、マッコリが輸入されている。
海外輸出はおろか本土でも販売されていない地元だけの希少銘柄。
こちらも済州島の中心にそびえる漢拏山の地下岩盤水を使っており、
かつ加熱処理を施さない、生の状態で日本まで運んでいるのが自慢だ。
「済州マッコリ」の名で7月下旬から正式発売が始まっており、都内を中心に扱い店を増やしている。
東京、駒込にある焼肉店「大昌園」も済州マッコリを扱う店舗のひとつ。
「父の故郷が済州島。懐かしさもあって仕入れを決めた」と黄時春社長。
「大昌園」は焼肉とともに自家栽培の野菜を使った料理が自慢の店で、
丹精込めて育てた野菜入りのチヂミが済州マッコリに合うとすすめている。
こうした動きが活発化すれば、いずれマッコリも日本の地酒のように、地方ごとの銘柄を楽しめるようになるかもしれない。
今日はどの地域のマッコリを飲もうか。先日、旅行で出かけたあの地方のマッコリを試してみようか。メニューに記載された
韓国各地の地名を眺めつつ、好みのマッコリを探す日もそう遠くないのかもしれない。需要拡大とともに、
ますます話題豊富なマッコリ業界の今後に期待をしたい。
●マッコリの魅力
韓国でも今年のはじめ頃からマッコリブームが沸き起こっている。
韓国料理の世界化を掲げる政府が固有食文化の見直しを推進したことや、
隣国の日本で人気を集めていることが主なきっかけ。
また乳酸菌が豊富である点などがクローズアップされ、健康によいとの評価にも結びついた。
近年は焼酎やビール、ワインなどに押されて消費量が落ち込んでいたマッコリだが、各地方の生マッコリを揃える店や、
マッコリカクテルを提供する店が登場するなど、人気復活の兆しを見せている。
朝日新聞
URLリンク(www.asahi.com)
すっきりした飲み口の済州マッコリ
URLリンク(www.asahi.com)