09/08/20 22:28:21
私は「イウとキク」の回で韓国語の「口(イプ)」という言葉が日本語では「イウ」つまり「言う」という意味
になったといった。それでは日本語で「口」を意味する「クチ」という言葉はどこから生じたのだろうか?
この言葉も実ははるか昔に渡来した古代伽揶族の言語であった。伽揶と言っても1,000年余りの歴史
を持つので、弥生時代と旧石器時代の伽揶人の差はそれこそ新羅と朝鮮時代程度のギャップがある。
最初に日本に渡来した古代伽揶人らは生活に必要な若干の基礎言語しかなかったと見られているが、
そのような言葉はたいてい物の形や特徴のようなものをまねたものだ。例をあげれば、「ホホ」と笑う
ほおの形を見てほお自体が「ホホ(頬)」になり、「ハナ」は「1」の意味で鼻の形も「1」と同じだから「ハ
ナ(鼻)」、指先で目を引き上げて恐ろしい表情をつくり「メエ」したことで「メ(目)」、額は白いから「ヒ
ダ」で「ヒタイ(額)」、息を「ハッ」と息を吐き出せば見えるから「ハ(歯)」、いたずらして耳をつまんでひっ
ぱられ痛くて「ミン」したのが「ミミ(耳)」。
「口」はいつも食べ物が入るのを待っている「コジ(乞食)」だから「クチ(口)」、「首」は「おまえも(ノド)」
食べ物を飲み込む通路だから同じ乞食として「ノド(喉)」、「手」は汚いものに触るから「トロウォ(汚く
て)」が「テ(手)」、腕は腕力を自慢して力を入れ「オデ(どうだ)」というので「腕」、首は曲げ(クビダ)ら
れるの「クビ」が「首」、「あご」は一発当たって痛くて「アゴ」(訳注:表記はアゴだが、記事表題からアイ
ゴーと思われる)と言ったので「顎」、「膝(ヒザ)」は曲げたり伸ばしたりよく曲がるから「フィジ」が「ひ
じ」、「舌」は話の種を持っているといって「シダ(種だ)」が「シタ(舌)」、「頭」は色が黒いから「コムダ(黒
い)⇒カムダ」で「カミ(髪)」。
このように基礎的な言語ができ始めた時は原始狩猟時代で、種族間の戦闘が熾烈で殺し合うそれこ
そジャングル社会であった。したがって古代の戦闘は相手側の男たちはみな殺しで女たちを戦利品と
することが特徴で、敵方の女性は捕らえて行って全部妾にした。そこでできた言葉は、韓国語の「妻」
を意味する「アネ」が「姉」になり、その妹も妻にして「叔母」を意味する「イモ」から「イモコ(妹)」という言
葉も生じる。こういう言葉の形態を見れば、古代は非常に強い男性優位社会だったことが分かる。
「恐ろしくて震える」を「オビエル(おびえる)」というが、この言葉は「オビ(父)」から派生した言葉でオビ
すなわち「親父=お父さん」ということだ。「オビエル」は「オビミエル(父見える)」すなわち「お父さんが現
われた」という言葉が短くなった言葉で古代の父親は恐れの対象だったということだ。そして怖がり震
えることを「オドゥロドゥル」というが、日本語では「おどおど」であり、「ぶるぶる震える(ポルボル トン
ダ)」は「ぶるぶる」だ。
慶一大総長・イ・ナムギョ
ソース:韓国毎日新聞(韓国語) [イ・ナムギョの日本語源流散歩33]「アイゴー」から「あご」
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