09/08/19 03:26:07
韓国の新生MMAイベント『FMC1~譲れない勝負~』は、低迷する韓国格闘技界において8月16日に
10 vs 10 日韓対抗戦を開催するとブチ上げ、新たなメジャーイベントしての地位を確立すべく、大会の
準備を続けていた。この大会には和術慧舟會ルートで7人の選手、日本のCMA&韓国のカイザーという
ルートで3人、合わせて10選手が14日に韓国入り。筆者は和術慧舟會からの依頼により、通訳&現地
案内として和術慧舟會組とともに全行程に同行した。慧舟會側からの許可を得て、韓国での主催者
との交渉過程や舞台裏などをここに紹介する。CMA&カイザールートで出場した選手は慧舟會とは
別契約のものであるため、ここでは割愛する。
14日、日本人全選手は無事韓国入りしたものの、すでに主催者が大会7日前に支払うべき前金を
支払っていなかったことが問題となっていた。出国前になっても支払いがなかったため、慧舟會側は選手
の出国を取りやめる予定だったが、韓国の主催者が「大会前日の15日までには支払う。その期日までに
支払えなければ、大会に出場しなくてもいいから出国だけでもさせてくれ」と懇願したため、慧舟會側は
了承して韓国入りしたが、結局、主催者は15日にも約束の金額を支払わず。だが主催者は、さらに
大会当日の昼12時までに期日を延ばすことを提案。大会出場に備えてきた選手のことを考え、慧舟會
側はさらに譲歩し、翌日の12時まで待つことにした。しかし、大会当日の午前中には主催者が発注した
リング屋がお金を持ち逃げするズンドコ事件も発覚し、大会中止が濃厚となる。なんとかFMCは別の
団体からリングを借り入れて準備を進めたものの、慧舟會側には約束の昼の12時に金額を払うことが
できなかった。この時点で慧舟會側は主催者が契約を履行しなかったとして選手の欠場を決定した。
なおも主催者側は「会場に来ればギャランティの全額を支払う」としたものの、開始時間が過ぎてもこれ
は支払われなかった。大会の開催時間が大幅に遅れた状況で、主催者はようやく全額を用意し、
慧舟會側の選手に出場する意志があるか問うたが、ギャラ問題に加え、アップする時間、リングチェック、
メディカルチェックすらない状況などの問題があったことから、多くの選手は出場の意思がないことを主催
者に伝えた。その後、試合する意志のある慧舟會の数名の選手が主催者の再交渉を行なったが、
これも不調に終わり、和術慧舟會がブッキングした選手団は試合をせず会場をあとにした。主催者は
仕方なく、当初10試合の予定を、梅田恒介 vs チョン・ドゥジェ、松下直樹 vs イム・ジャンヨン、中村
“アイアン”浩士 vs キム・ジョンマンとオープニングファイトの計4試合に変更して大会開催を強行した
ものの、韓国人は日本人に全敗という結果に終わり、大会を中継するはずだったMBCも放送をキャン
セルした。
大会後、主催者は本来レフェリーを務めるために選手団に同行していた和術慧舟會のスタッフを呼び
出し、契約を破って試合に出場しなかったのは日本側に責任があると強硬に主張し、ギャランティの
全額没収、契約金の10倍の賠償を含む多額の損害賠償を請求。ギャラを返還しない場合はホテル
から追い出し、関係者全員に出国禁止の申請をすると一方的に通告した。拘束される選手やセコンド
の安全を考え、慧舟會側はその場でギャランティの全額を返却したが、主催者はなおも「今回の航空機
代、ホテル代、食費をすべての経費を慧舟會が負担するという書類にサインしないとチケットを取り消す」
という無理な要求を突きつけたため、慧舟會側は韓国の日本大使館と相談したうえで、今後は弁護士
を通して対応することに決め、送迎を拒否された全選手を連れて空港に移動。実際にキャンセルされた
数名のチケットを空港で買い直し、なんとか17日に全員帰国した。
(>>2-5あたりに続く)
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