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山田洋次監督の代表作を33年ぶりに色あざやかによみがえらせた「幸福の黄色いハンカチ デジタル
リマスター」の公開記念試写会が4月7日、東京・築地の東劇で行なわれ、山田監督と同作で映画初出演
を果たした武田鉄矢がトークショーに出席した。
同作は1977年10月に公開され、第1回日本アカデミー賞で8冠に輝くなど各映画賞を独占した大ヒット作。
任侠映画のスターだった高倉健を主演に迎え、刑期を終えて出所した男が、偶然出会った若いカップルに
後押しされて妻のもとへ戻る姿を描いた感動作だ。
ふたりが公の場で顔をそろえるのは実に33年ぶり、2ショットにいたっては初めてのこと。武田は、
「僕にとってはこの映画から何もかもが始まったんです。この役を演じてから芸能界で食えるように
なったんですから。生活苦から解放してくれた、僕にとってはこの作品が『黄色いハンカチ』そのものです」
と振り返った。
この日は欠席したものの、高倉から速達で祝福の手紙が届き「山田監督、鉄矢くん、34年前の撮影当時の
ことを色々と思い出しています。この年月を経て、また上映していただけるのは大変うれしいことです」と
文面を読み上げた武田は感慨深げ。撮影当時を振り返り、「僕は素人俳優だから、監督にいつも怒られて
いましてね。健さんが『お前、大変だったな』となぐさめてくれるんですよ。それで『オレばっかりいじめ
るんですよ』と愚痴をこぼしたら、『伸びないやつはしごかねえよ』と言ってくれて……。宿まで泣きながら
帰りましたよ」と明かした。
山田監督は、武田を起用した経緯について「海援隊のLPのジャケットに映る足の短い青年を見て、『これだ!』
と強烈な印象を持ったんです。見事に当たりましたね。選んで良かった」と話し、武田を喜ばせた。
高倉についても、「赤坂の旅館でオファーを出したら『やります! 体を空けますから。今日はとってもいい
日です』と言って飛び跳ねるように帰っていったのを覚えています。健さんがやると言ってくれれば、僕は
また喜んでやりますよ」と思い入れたっぷりに語った。
手を前で組んでいるのが山田くん、後ろで組んでいるのが武田くん、背後は高倉くん
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