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南アフリカが“突貫工事”に入った。不振続きで開催国としてはＷ杯史上初の１次リーグ敗退が懸念される中、
カルロス・アウベルト・パレイラ監督（６７）の母国ブラジルで１０日から合宿を開始。
６月１１日の開幕まで３カ月を切り、フランス（ＦＩＦＡランク７位）、ウルグアイ（同１９位）、
メキシコ（同１５位）と戦う１次リーグに向けて、立て直しを図る開催国（同８１位）に迫った。
苦境の開催国が強化の切り札として行ったのは、王国ブラジルでの合宿だった。
「ここは世界のサッカーにとって“ゆりかご”のようなところ。世界王者にもなったブラジルの偉大な選手が練習を行った場所が、
南アフリカの選手にインスピレーションを与えてくれれば…」
９４年Ｗ杯米国大会でブラジルを優勝させたパレイラ監督はその意義を強調した。
合宿前半はリオデジャネイロ郊外テレソポリスのブラジル代表施設を使用。
天然芝のピッチ５面やプール、ジムが完備され、フィジカル中心のメニューを重ねる。
並行して強化試合も設定。１３日からは３日連続という異例の日程を組んだ。４月６日まで続く合宿中の目標は１０試合。
「国内リーグは求められるフィジカルの水準が低い」と指摘する指揮官は合宿中の負荷をかけた状態で実戦を重ね、サッカー漬けで底上げを図る。
参加２９選手でリーグ戦期間中の欧州組は若手２人だけ。国内リーグも例年なら優勝争いの真っ最中だが、
通常５月までの日程を３月６日に終わらせて代表に協力した。ＭＦピーナール（エバートン）ら主力は欧州組ながらベースになるのは国内組。
「今回の合宿組から１５人がＷ杯メンバーに入る」と明かす指揮官の声にＤＦブースは「合宿で状態を上げないと。
Ｗ杯に出場する２３人に残るにはミスする余裕はない」と話すなど、選手間の競争意識も高まってきた。
（つづく）