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だが一方で、２００４年にはプロからアマ側へ流れた「裏金」が問題化。プロ入りに当たり
「アマ側が見返りを要求した」といった指摘は後を絶たず、プロ、アマの水面下での「交流」は続いていた。
だからこそ、双方を隔てる壁を高くせざるを得ず、全日本大学野球連盟監督会会長の横浜商大佐々木正雄監督（61）は
「ここまで両者の垣根を高くしてしまったのは、アマ側にも責任があったのではないか」と率直に認める。
今後は、プロとアマの練習試合も可能となる。渡辺監督は「これでようやくプロアマが一本化された」、
内川選手は「プロがアマから学ぶことだってある。楽しみ」と歓迎ムードだ。
しかし、急なオープン化に戸惑いを覚える関係者も少なくない。横浜ベイスターズの河本明編成企画部長は
「プロだからといって（監督の頭越しに）どこまで踏み込んで指導できるか」と慎重に動向を見守る。
佐々木監督は「プロ関係者が指導者としてかかわってきたら、どう影響が出るか。学生野球は、あくまで教育の一環」と
懸念する。新憲章でもスカウト行為は禁止されるが、あいまいなのが「プロ野球関係者」という位置付けで、
関係者の線引きがはっきりしない。ドラフト会議での逆指名制度は廃止されたが、過度の接触を警戒する声もある。
涌井選手は「ここ（横浜高）に来ていることは、あまり知られたくない」と申し訳なさそうに言った。
あこがれの先輩と後輩たちを隔てる見えない壁を、何よりも気遣ってきたのは当事者の選手たち。
新憲章が関係を健全化することができるのか、注目される。
（終わり）