10/02/21 19:34:04 JUAknxc20
記事いわく、「四回転ジャンプは挑戦するメリットよりリスクが大きすぎる
という考えが、今回の五輪競技の結果で改めて強調された」
「過去4季の主要国際大会で選手たちが試みた全ての四回転ジャンプを検討
した結果、トリプル・ルッツよりも四回転をやった方が高得点につながった
というケースは3割しかない。トリプル・ルッツは四回転よりも難易度は
ずっと低いが、見事に決めれば四回転ジャンプと同じぐらいの高得点を獲得
するからだ」と。
回ればいいってものじゃない。跳べばいいってものじゃない。それは私も
そう思います。たとえば高橋選手の演技には、優れたアスリートの身体能力に
加えて、優れたダンサーの表現力がほとばしっていました(彼の顔や体の表情
ときたら! 審査員席へのアピールぶりときたら!)。まるでバレエの
プリンシパルとかエトワールのような身体表現力と演技力です。
特に19日のフリープログラムはただうまいだけではなく、観る側の感情を
掻き立てる、表現者の演技でした。
けれども「ジャンプこそ男子フィギュアの未来」というプルシェンコ発言も
分かる気がします。もともとフィギュアスケートとは、スポーツなのか
身体芸術なのかの境界線が曖昧な競技なので、跳ばなくてもいいとなったら
益々「スポーツ」から遠ざかっていくのではないかと、私でさえそんなことを
思います。
たとえばAP通信は「金はライサチェックが勝ったが、議論はプルシェンコの
勝ち」と書いています。そして、元カナダ代表でリレハンメル五輪と長野五輪
の銀メダリスト、エルヴィス・ストイコ氏は「フィギュア・スケートが殺され
た夜」という記事で、「四回転に挑戦もしない選手がどうして五輪チャンピオン
になれるんだ?」と審判団の点の付け方を批判し、「おかげでフィギュア競技
は一歩後退してしまった」と嘆いているのです。
ちなみにストイコ氏は高橋選手の演技について「awesome (すごい)」
と思ったとのこと。「四回転に挑戦するだけのガッツがあった。
その分だけでも、ライサチェックの上を行くべきだった」と。