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中日・善村スコアラーは（以下略）」
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プロ野球広島の伊東昂大（こうた）投手（盛岡大付高３年）がブルペンでほえた。
「おりゃーっ」と１球ごとに響く声。宮崎県日南市で２軍キャンプを送る背番号６７は
「他の選手よりも目立たなければ意味がない」ときっぱり。１０日の練習ではカーブ、
スクリューボールの変化球も試して気迫の７４球を投げ込んだ。
１８６センチの長身から投げ下ろす角度のある直球がうなる。高校最後の夏以降、
最速１４３キロに伸ばした球威がさらに増した感がある。
「進化」は球速だけではない。投球フォームも変わりつつある。高校時代は踏み出
した右足をコンパスのように真っすぐ伸ばしたままだった。筋力がなかったために足
を突っ張って、その反動で腕の振りの速さを得ていた。今は、右足がしっかりと折れ
て前への体重移動ができている。
昨秋以降の下半身強化の成果だ。新フォームではさらに腕の振りがコンパクトになり、
打者から見えにくくなっている。期待の左腕は「テークバックを小さくすることを意識して
いる。後ろを小さく、前は大きく（腕が）振れるのが自分の特徴。順調に仕上がってきた」
と胸を張った。
直球３０球、カーブ１０球を投げ込んだ後、「スクリュー」とブルペン捕手に指示。右打者
の外角へ沈むボールは切れ味抜群だ。初球はドミニカ出身のデラローサ捕手のミットを
かすめて転がった。伊東投手は「スクリューを使ったのはコーチ陣へのアピールの意味
もある。デラローサも捕れなかったでしょ？」とにやり。緩急自在の投球を披露し、手応え
をつかんだ様子だった。
投球練習を見守った沢崎俊和投手コーチからは「テークバックで焦るな。ゆっくり腕が
上がり切ってから投げれば、もっと球威が増す」との助言を受けた。「豊かな将来性」の
評価で満足するつもりはない。伊東投手は徹底的な筋力強化で「早めの勝負」を仕掛け
るつもりだ。
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