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金メダル候補が揃ってズッコケるトリノの悪夢
上村愛子 浅田真央 スピードスケート
●地元選手に有利なコース設定
「五輪開催国がコースやスタート台を地元選手に有利に変えるのは日常茶飯事。
やらない方がおかしい。長野五輪でスキーのジャンプ台の飛び出し角度を、日本選手に
一番有利な角度に調整したのは有名な話。今回、カナダがモーグルコースでやるでしょう」
こう言うのは現地で取材するスポーツライター。
同コースはコブが高くて間隔が比較的狭く、トリッキーな設定。金メダルを期待される
上村愛子はトリノ五輪以来、スピードに重点を置いてきた。そのためか、今季のW杯ではエア
のミスが目立ち未勝利だった。今コースは「技術的な要素を取り入れたコース」(高野コーチ)。
地元のジェニファー・ハイルはエア、スピード、ターンのすべてに弱点のないオールラウンダー。
しかも「(暖冬で)エア台の踏み切り部分の硬さの調整も検討」(会場責任者のフレモント氏)
というから、さらにハイル仕様に変わる可能性もある。コースも味方につけ、よほどのミスが
ない限りトリノに続いて五輪連覇は堅い。
●米テレビ局もキム・ヨナ応援
上村愛子と並んで金メダルを期待されるのが女子フィギュアの浅田真央だ。先月の
4大陸選手権で自身今季最高の183.96を出して逆転優勝。最大の武器のトリプルアクセル
(3回転半ジャンプ)も2度成功させた。それでもライバルのキム・ヨナ(韓国)の今季最低点の
187.98さえ上回ることができなかった。採点競技であるフィギュアで一度、付けられたランクを
ひっくり返すのは至難の業という。
「それだけではありません。バンクーバー五輪の放映権を持つNBCが『歴代最高の選手の
ひとりであるキム・ヨナに魅了されない視聴者はいないだろう』と、以前からその人気、実力を
大いにあおっている。五輪の最大のスポンサーであるアメリカのテレビ局はスーパースターを
欲しがっている。そうしたこともヨナに有利に働く」(現地記者)
表現力が増したといわれる安藤美姫にはメンタル面での弱さが付きまとう。
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2010年2月10日発行の日刊ゲンダイより