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名古屋グランパスは指宿キャンプ２日目の３日、鹿児島県指宿市のいわさきホテルグラウンドで、午前と午後の２部練習を行った。
新潟から移籍加入したＤＦ千代反田充（２９）は、攻撃と守備に分かれた練習で、グランパスの守備の戦術を確認した。
「最優先することは何かを判断し、整理していきたい」と、キャンプの中で、チーム戦術の理解を深めていく。
攻守に分かれた午前の練習で、千代反田は、増川、田中、阿部、竹内、松尾のＤＦ陣と、ホワイトボードの前に集合した。
約３０分、ジュロブスキーコーチの話を聞き、センターバックの守備位置に就いてからも、入念な戦術確認を繰り返した。
「今までやってきたこととは全く違う、新しいやり方を覚えていくことは新鮮」。
千代反田は練習後も、相手ＦＷに対し、どの程度つぶしに行っていいのか、迷ったことはすぐにジュロブスキーコーチに確認した。
戦術練習で、理解が深まるにつれて疑問も出てきた。
午後に行われた２対２、２対３の守備練習でコンビを組んだ阿部は、「今は戸惑いもあるが、チヨさん（千代反田）なら、なじめばスムーズになる。
ほかの選手にはない自分の色も出してくるはず」と話していた。
Ｊリーグ開幕のＧ大阪戦（３月６日、万博）までは１カ月しかない。同じく新加入の日本代表ＤＦ闘莉王とは、一緒に練習もできていない状況だ。
千代反田は、「チームの戦術を体にしみこませるには時間がかかる」と難しさは理解している。
しかし、方法はある。福岡、新潟とチームは変わっても素早くなじんできた。積み上げてきた守備力には自信を持っている。
「今まで培ってきたものをゼロにするのではない。チームとして優先することを判断して、取り入れていきたい」
築いてきた自分の守備をベースに、指摘されたことを吸収することで、素早い対応を目指す。
「チーム戦術だけが頭に入りすぎると、かえって体がついて行かず、状況判断が遅れることもある」。合わせるだけではない。
千代反田は、的確に相手をつぶしに行く強さという長所も発揮しながら、チームに溶け込んでいく。