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「フラガール」で国内の映画賞を総ナメにした映画会社「シネカノン」が
負債総額47億300万円を抱えて東京地裁に民事再生法を申請した。
日本映画ファンに親しまれた名物会社はなぜ苦境に追い込まれたのか。
会社名は知らなくても、作品は雄弁だった。蒼井優(24)の出世作で、
常磐ハワイアンセンター(現・スパリゾートハワイアンズ)を舞台に福島県いわき市の
街おこしにもなった「フラガール」をはじめ、「のど自慢」、沢尻エリカ(23)の好演が
光った「パッチギ!」などが話題に。2001年に韓国映画「シュリ」を配給、
韓流ブームに火を点けたのも、シネカノンだった。
李鳳宇社長が1989年に設立。93年に初の製作を手がけた崔洋一監督の
「月はどっちに出ている」がスマッシュヒット。以後、精力的に作品を送り出してきた。
「アートとエンターテインメントの両方を兼ね備えた作品が特徴。
東宝や松竹、東映といった娯楽第一の大手会社作品と、監督の作家性を追求する
小規模な映画会社の間で地位を確立していた」と映画ジャーナリストの田中宏子氏。
興行収入18億円と大当たりした「シュリ」のおかげで、「渋谷の道玄坂にビルを買っていた。
何より大きかったのは、いい企画が集まりだしたこと。その分、ウチは悔しい思いをした」
とある配給会社幹部。
06年公開の「フラガール」は、翌年に日本アカデミー賞を受賞。「邦画メジャー会社の作品が
選ばれることが多かった日本アカデミー賞に選ばれたのは、独立系の映画会社を邦画メジャーも
無視できなくなったことの象徴」(田中氏)と映画界に一石を投じた功績は大きかった。
が、邦画ブームの波に乗り、東京・有楽町イトシア内に07年10月、
「シネカノン有楽町2丁目」をオープン。韓国や神戸にも映画館を開いたあたりから、
怪しくなった。
(続く)
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