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ゲイのメッカ、新宿二丁目。いまだに芸能人が多く訪れるこの場所だが、
誰でも受け入れられているわけではない。
「オカマは敬語は使わない。無礼講ができる人じゃないとダメ。
だから、冗談の通じない大御所とかは来ないかな」
……というのは、老舗オカマバーのママ（♂）だ。
しかし、ベテランでも大御所でもない、ある女性歌手が、
この街で嫌われているという。倖田來未がそうである。
「売れない歌手とか芸人、プロレスラーとかよく来るのよね。彼や彼女たちって
お金がないじゃない？ だから、私たちも『出世払いでいいから』ってお代を
もらわないこともあるのよ。こうして恩を着せておくと、売れてからも来てくれて
お金をいっぱい使ってくれる子もいるの。でもね、彼女はそうじゃなかったの」
確かに倖田は当初、歌手として芽が出ず、下積み時代が長かった。
その期間に二丁目に通い、オカマたちと夢を語り合っていたということなのか。
「露骨だったわよ。売れた途端、パタンと来なくなったからね（笑）。
まあ、店に大量のツケがあったわけでもないし、何年間も通ってくれて
いたわけじゃないから、ずっと来てくれるとは思わなかったけど……ねぇ。
今では二丁目全体で、『倖田は薄情者』っていう噂が流れているぐらいよ」
ママはこう愚痴るが、倖田のように爆発的に売れてしまうと、
プライベートがまったくなくなるという話もある。
現に彼女は、売れ始めてから派手に遊んでいるところ
を目撃されたことは一度もない。ただ忙しかっただけなのかもしれない。
そろそろ人気も落ち着いてきているので、
再び倖田が二丁目で飲み明かす日も来るだろう。（谷本雅顕）
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