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ミヤネに群がる無能なテレビに未来なし
スポーツ新聞を張り付けたボードを指さして雑談する手抜きワイドショーの
氾濫にはウンザリだが、なぜか「ミヤネ屋」（日本テレビ）だけは見る人が多い。
ひとえに宮根誠司の機転の利くしゃべりと懐の大きさによるものだが、ブレーク後、
ミヤネさんは出過ぎだろう。「サプライズ」や「秒ヨミ！」など、全国区にしてくれた日テレには
義理やしがらみがあるのかもしれないが、他局の特番でもＭＣに抜擢されている。
“つまらん企画でもミヤネを出しておけばどうにかしてくれるだろう”という作り手の怠慢が
感じられるね。で、実際にミヤネさんが出ると、どうにか面白いものにしてしまうから始末が悪い。
しかし、テレビに活力があった２０年ほど前までだったら、横帯（月～金）番組の
看板司会者は、その番組のスタッフが、他の番組で司会をやることを許さない傾向があった。
いろんな番組で司会をやったらありがたみがなくなるし、番組も司会者も価値が下がるからだ。
今の民放は、自分の番組で司会者を育てるなんて労力は使わない。みのもんたさんが
活躍した時代から、ひとりの司会者がブレークしたら、ハイエナみたいにその司会者を
使い回す節操のない番組作りが横行している。
そういう現象は日本特有で、ほとんどの国は、メーン司会はその番組専属だろう。ひとりの
タレントが１週間で何十時間もテレビに映っているのは異常だ。みのさんが生放送の出演時間で
ギネスに載ったが、意味あるのか？ 出れば出るほどしゃべりの内容は薄くなるのだから、
民放は宮根誠司のような“ポストみのもんた”を使い回しして企画をおろそかにしてると、
司会者と共倒れするぞよ。タレントは仕事の本数ではなくて、仕事内容で評価されるべし。
（元芸人・作家松野大介）
2010年1月16日発行の日刊ゲンダイより