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このままでは高校ラグビーは消えてなくなる運命
記録ずくめで東福岡が決勝進出
新記録誕生も盛り上がりはイマイチだ。
高校ラグビー準決勝で東福岡(福岡)が京都成章(京都)相手に67―12と圧勝し、
2年ぶり5度目の決勝進出を決めた。準決勝での55得点差は過去最大で、67得点は
西陵商(現西陵)が第76回大会でマークした66点を上回る最多得点記録となった。
東福岡は高校日本代表候補8人を擁するタレント軍団。一方の京都成章にしても3人の
高校代表(U―17)を抱え、ノーシードながら出場校の中では決して弱小チームではない。
準決勝でこれほどの大差がつくのは快挙というよりも、むしろ日本ラグビーの選手層の薄さを
象徴しているといえそうだ。
近年、競技人口の減少は顕著で、特に高校生のラグビー離れは深刻だ。高校野球では
全国最多の189校が参加した(09年夏)神奈川でさえ、今大会に参加したのは、わずか40校。
鳥取や香川は4校しか参加せず、高知にいたっては、たったの3校だ。今大会に出場した
高知中央はシードされたため、県大会決勝の1試合を制しただけで花園出場が決まって
しまった。今や単独の高校ではメンバー15人が揃わず、他校と合同チームを結成して
地区予選に出場するのも珍しいケースではなくなった。
日本のラグビー界は自国で開催する2019年のW杯に向けて日本代表の強化に着手。
9年後の代表を担う中学生、高校生のレベルアップに取り組んでいるが、競技人口の
減少は致命的だ。選手層が薄くては当然、選手の選択肢は限られ、国内での競争意識も
芽生えにくい。その結果が、準決勝のワンサイドゲームにつながった。ただでさえ豪州や
ニュージーランドに比べて実力に雲泥の差がある日本のラグビーを強化するのは限界がある。
今大会に出場した中にも2年生を含めて将来を嘱望される選手はゴロゴロいるが、
彼らが切磋琢磨(せっさたくま)する環境には程遠いのが現状だ。これでは日本の
ラグビーの先行きは真っ暗と言わざるを得ない。
なお、決勝(東福岡―桐蔭学園)は7日に行われる。
2010年1月6日発行の日刊ゲンダイより