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◇汗と涙と感謝の心
「野球は奥深くて楽しいスポーツ」－－。アマチュア野球最高レベルの社会人野球で選手、
スタッフ、審判を務めた日本野球東海地区連盟専務理事の中尾正治さん（７４）＝愛知県阿久比（あぐい）町。
専務理事として社会人野球の運営に加え、野球人口の拡大や地域貢献にも力を注ぐ日々が続いている。
野球一筋とも言える人生。社会人野球の魅力や今後の課題などを語ってもらった。
＊
愛知県内の中高一貫校で勉学に励む傍ら、野球部員として活躍していた中尾さん。
文武両道の中高時代だった。大学進学を希望していたが、家庭の事情で進学を断念し、
１９５４年、東邦ガスに入社した。「当時の東邦ガスは同好会程度で野球部員は少なかったですよ。
弱いチームだったのですぐに投手を任されました」と現役時代を懐かしそうに振り返る。
中尾さんは左腕。実力を評価されて入部２年目には都市対抗野球大会の補強選手として
後楽園球場（現東京ドーム）のマウンドに立ち、プロ野球から誘われた経験もある。
プロ野球はアマチュア選手の夢だ。しかし、父親からの一言でプロの道を断念した。
「『野球で飯を食うのはもってのほか』ってね。そういう時代だったんですよ」
プロの夢を断ち切った中尾さんだったが、後悔はなかった。
そして「（補強ではなく）東邦ガスのユニホームを着て都市対抗に出場するまでは
会社に恩返しができない」と、気持ちを切り替え１９６８年まで１４年間、現役を貫き通した。
残念なことに自分のチームで都市対抗に出場することはできなかったが、
その後、コーチ、監督、副部長を歴任した。
＊
監督時代の思い出。「会社が仕事第一主義だったので、成績はいまいちでした。
でも次第に会社の理解もいただくようになり、実力を発揮できるようになっていったんです」という。
その一方では、「監督というのは結果を残すこと」と振り返るように、勝負の厳しさも痛感した。
（>>2以降に続く）
ソース：毎日新聞（12/26）
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