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Jリーグの終わり
これほどのお笑い草もない。
満足に走ることも出来ず、引退同然のサッカー選手がプロ契約を交わしてメディアの注目を浴びる。
J1磐田から解雇通告を受け、24日にJ2札幌への移籍を発表した中山雅史(42)だ。
知名度はバツグンである。Jリーグが始まった93年10月、ドーハ(カタール)で行われた
米国W杯最終予選で3ゴールの大活躍。98、00年にはJリーグ得点王を獲得。
98年仏W杯では「日本人W杯初得点」を決めた。
ピッチ外では数々のCMに出演。芸能人はだしの話術でテレビ番組の司会を務めたり、
「ゴン」の愛称でサッカーファン以外の認知度も高い。
しかし、本業のサッカーは落ち目で完全に過去の人。06、07、08年と各1ゴール。
09年はJ出場は一度もなく、磐田からクビ宣告を受けた後、11月28日の地元最終戦(広島戦)に
出場して「元日本代表ラモスのJ最年長出場記録(41歳9カ月5日)を更新(42歳2カ月5日)」した。
だが、それまでJ出場ゼロで股関節痛、腰痛、両膝痛など満身創痍(そうい)の中山に出番が
回ってきたこと自体、Jリーグのレベルの低さを物語っている。
そして、今回の札幌への移籍劇である。サッカーライターの平野史氏が
「中山の移籍から“Jリーグの現状”と“日本代表の南アW杯惨敗”が透けて見える」とこう続ける。
「中山がJで通用しないことは、誰もが分かっている。なのに移籍先が決まることもおかしな話だし、
メディアが大々的に報じることで“実力も人気も低迷するJの現状”が見えてくる。
日本代表についても同様。中村俊、遠藤、中沢と、攻守の主軸がW杯本大会で30歳オーバーでプレー。
もはや現状から上がり目なしです。レベルの低いアジアでは通用しても、世界を相手に惨敗必至だ。
若手に切り替えたくても、スピードも技術もあって代表のレギュラーを張れるような選手は見当たらない。
結局は古手に頼るしかない。南アで日本代表が岡田監督の言うようにベスト4入りするのか、
それとも赤っ恥をかくのか、改めて言うまでもないでしょう」
(日刊ゲンダイ2009年12月25日掲載)
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