09/12/24 23:22:55 0
(続き)
こう問題提起する石渡弁護士は、長期的なテーマのひとつとして、NPBの海外展開を挙げる。
「例えば中国の上海にNPBの球団があってもいいと思います。将来的に中国の経済力は
米国を抜くと言われていますから、メジャーより資金力のあるリーグができる可能性があります。
韓国や台湾にもNPBに加盟する球団が生まれれば、巨大なマーケットが出来上がります。
ここに資金を入れる企業はいっぱいあると思います。MLBがアジアに来るには移動時間が
かかりますが、日本とアジアは地理的に近い条件のよさもあります」
中国に野球が根付くかなど不透明な部分は多いが、MLBはすでに上海近郊に10代の
若年層を対象としたアカデミーを開設。中国人大リーガーを生みだすべく、本格的な市場開拓へ
動き出した。将来的に日本の人口は減少すると予測され、マーケット規模も縮小されよう。
身の丈にあった経営も選択肢だが、MLBとの格差が許容範囲を超えれば、
真の国内空洞化は避けられなくなる。
「NPBのマーケットをコントロールする(外資排除の)ルールが、マーケット規模を制限
しているのなら、必然的にMLBに負けてしまいます。この問題の解決なしに、メジャーへ
選手が流出する問題の本質的な解決はありません」(石渡弁護士)
一定の経営レベルを維持している現状では、海外展開は現実感を伴わないし、法律も
文化も異なる他国・地域への展開は極めて困難だ。ただ、国内だけのリーグでは遠い将来、
限界に直面する恐れはあり、調査を進める価値は十分にある。
■MLBとNPBの格差 売上高はMLBが30球団で6千億円程度、NPBは12球団で
1200億円程度とされ、約5倍の開きがあるといわれる。1球団当たりに平均すると、
MLB約200億円、NPB約100億で2対1になる。
選手年俸では、今季にMLBのベンチ入りした選手の平均は299万6106ドル
(約2億7264万円、選手会調べ)。NPBは開幕時の1軍ベンチ入りした選手の平均で
6700万円(外国人選手を除く、選手会調べ)。こちらは約4倍の格差がある。
(終わり)