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日本の社会全体が陥る「制度疲労」は、2009年のプロ野球界でも表面化した。
来年は待ったなしの改革の年になる。
1月1日からコミッショナー、セ、パ両リーグの3事務局が統合した。
コミッショナーが指導力を発揮して問題に対処することが目的だったが、
実際にはリストラの側面ばかりが目立った。
日本野球機構(NPB)が財政赤字に苦しむのが大きな要因だ。
日本シリーズを収益の柱とするため、試合数や出場チームによってはこれまでも
赤字になることはあった。だが、今回の財政悪化の理由は従来とは違う。
税務当局が40年間認めてきた審判経費などの解釈を、昨年から変更したことにある。
納税額が大幅に上がり、現状のままなら来年以降も恒常的に
年間約3億円の赤字となる見通しだ。
NPBはセ、パ両会長職の廃止など約10人を削減、コミッショナーの報酬も
3分の2の1600万円にするなど1億円以上の経費を節減した。
12球団の会費については、年間7100万円からの値上げを提案している。
球界全体の観客動員数は毎年増加し、興行自体は順調といえるが、
放送権料のダウンが著しい。1億円以上あったオールスター戦と日本シリーズはそれぞれ、
8千万円と9千万円に下がった。テレビ局関係者は「それでも局内ではまだ高いと言われる」。
球宴の冠スポンサー料も07年までの3億4千万円から2億7千万円に下がっている。
12球団に目を向けても、厳しい経営事情は同じだ。
親会社が広告宣伝費として球団の赤字を補てんしてきた時代は終わった。
ある球団幹部は「株主に説明できないお金の使い方はできない」と言う。
国民的娯楽として、長く優遇されてきたプロ野球。
時代は移り、変化が求められている。
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