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「協力しないと殺す」と言われた元日本人投手
台湾プロ野球の八百長問題の根の深さ
野球賭博に絡む八百長問題で激震が走っている台湾プロ野球。08年も同様の問題で
球団数が6から4に縮小されて球界消滅の危機といわれているが、今回は「兄弟」の
監督を務めていた元阪神の中込伸が野球賭博に関わった疑いで検察に拘束され、
元西武でラニューの右腕・張誌家は同容疑でチームを解雇された。
台湾球界に詳しいスポーツライターの戸部良也氏がこう解説する。
「台湾には宝くじやパチンコくらいしかギャンブルがないため、『放水』と呼ばれる野球賭博が
長年、常態化している。全国各地のヤクザの親分が組員を元締にして賭場を“開帳”しており、
プロ野球がない時代には少年野球で賭けをし、ひいきのチームを勝たせるため、有能な子ども
にはヤル気にさせようと高級自転車を買い与えるなどタニマチのようなことまでしていた。
根は深い。プロ野球がスタートして試合数が大幅に増えると、賭け金も膨らみ八百長に発展。
選手を情報屋や八百長の仲介役として取り込むだけでなく、八百長の協力者には選手の
平均月給(日本円で約40万円)に相当する大金を1回の謝礼として支払うなどして多くの選手が
八百長の片棒を担ぐようになった」
日本の在京球団から台湾球界に移籍したことのある元投手は、球団内の仲介役から
「A球団のB選手にわざと打たれてくれ」と、八百長の片棒を担がされそうになった。
断ろうとしたら銃をつきつけられ、「協力しないと殺す」と脅されたそうだ。この投手は断固拒否
したものの、八百長の協力者には中南米系の助っ人選手が多かったという。ある協力者は
「いったん(八百長に)関わると二度と抜けられない。殺される」と、怯えながら話していたという。
台湾では国と球界が話し合い、プロ野球の存続と八百長の撲滅に力を入れているが、
“黒い霧”は濃い。
2009年12月19日発行の日刊ゲンダイより