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雨空の向こうへ祈りをささげていた。リーグ最終戦、5日の小瀬陸上競技場。
冷たい雨が降り注ぐピッチとスタンドで、選手とサポーターは湘南戦の結果を待った。
タイムアップの笛が鳴ってから数分後、「湘南勝利」の報が小瀬を駆け抜ける。勝ち点差1。
4590分の長い戦いの末、勝者と敗者を分けたのは、小さくて重い「1」だった。
◆命運分ける
11月21日、異様な雰囲気の中、小瀬で行われたVF甲府-湘南の直接対決。
ロスタイム弾の興奮がさめやらぬうちに開かれた記者会見で、湘南の反町康治監督は勝因を分析した。
「攻撃をしたときにペナルティーエリアに入った人数はどちらが多かったか。
長いボールを入れたときは、どちらが多かったか。われわれだと思う。そこが命運を分けたのかもしれない」
ロスタイム、ジャーンのヘッドがバーに当たったとき、湘南は5人がエリアに入り込んでいた。
決勝ゴールを奪ったのはMF坂本紘司。このゴールに象徴されるように、坂本が13点、
寺川能人が7点を奪った湘南の中盤は、VF甲府(大西容平8点、藤田健2点、石原克哉0点)に比べ高い得点力を誇った。
一方、FWの得点力ではVF甲府が勝る。マラニョンが19点、金信泳が14点と、2人だけで計33点を稼いだ。
試合を決めるフィニッシュの作業。VF甲府は「個の力」、湘南は中盤を絡めた「数の力」に重きを置いた。
長いシーズンを振り返ったとき、個の力に頼った戦いが“落とし穴”となった試合もあった。
4月、アウェーでの栃木戦。0-1で迎えた前半17分、マラニョンは無人のゴールに向かって放ったシュートを外した。
第2クールの栃木戦でも同じシーンは繰り返された。圧倒的に攻め込みながらネットを揺らせなかった第2クールの湘南戦、最終クールの草津戦。
数少ない得点源の決定力に、チームの浮沈は左右された。
(つづく)