09/12/04 22:46:13 0
(>>1の続き)
試合はほとんどの時間帯を松本が支配し、金沢が必死で守るという展開で進んだ。ホーム
の松本は、平日にもかかわらず、熱狂的なサポーターが多数ゴール裏に詰めかけ、この日の
公式入場者数は4293人。絶対アウエーの状況にあって、金沢が「まず守備から入る」戦術を
採用したのは当然の判断であった。もっとも攻勢
をかける松本にしても、3本以上のパスがつながるシーンはほとんど見られず、局地戦での
攻防に終始。ゲーム自体はおよそ魅力的なものではなく、両者スコアレスの均衡が続いた。
この試合で最も存在感を示していたのは、金沢の守護神、木寺浩一(37歳)である。NKK
サッカー部(JSL2部)、京都パープルサンガ(旧JFL)、そして関東リーグのルミノッソ狭山を
経て、晴れてJリーガーとなったものの、アルビレックス新潟とサンフレッチェ広島ではいずれも
バックアッパーとしてチームを支えてきた苦労人である。その木寺が、JFL昇格を懸けた大一番
ではスーパーセーブを連発。圧巻は後半39分での松本の2連続シュートを身を呈して防いだ
シーンであろう。結局、90分でも決着はつかず、試合はPK戦へ(この大会では、90分で勝敗
が決まらない場合はPK戦が行われ、勝者には勝ち点2が、敗者には勝ち点1が、それぞれ与え
られる)。ここでも木寺は松本5人目のキックをセーブし、金沢に勝ち点2をもたらす活躍を見せた。
試合内容では松本が終始圧倒しながらも、終わってみれば金沢のPK勝ち。金沢の上野展裕監督は
「とにかく木寺が頑張ってくれた。PK戦で勝てたのはラッキーだった」と語っていたが、おそらく偽らざる
気持ちだったはずだ。内容よりも、まずは結果。地域決勝の戦い方としては、至極まっとうな判断だった
と言えよう。
決勝ラウンド第1日目を終えた順位は、1位・日立栃木(勝ち点3)、2位・金沢(同2)、3位・松本(同1)、
4位・YSCC(同0)。今大会は、上位2位までが自動的にJFLに昇格、3位はJFLのFC刈谷と入れ替え戦
を戦う。どのチームにも昇格の可能性が残されているだけに、今後の戦いにも注目したい。
(以上です)