09/11/04 16:30:32 0
日本シリーズ開幕前から、キーマンは北海道日本ハムの糸数敬作だと思っていた。
だが実際には、プロ3年目とはいえ一軍デビュー1年目の右腕に、チームの命運を託すには荷が重すぎたようだ。
甘いボールを確実に仕留められる巨人打線はやはり恐ろしい。
日本ハムは東京ドームでの残り2試合、この強力打線と戦わなければならない。
それは戦前より予測していたことだろうが、もっと厄介なのは、
眠っていてほしかった男を目覚めさせてしまったがために、
今まで以上のプレッシャーを背負わなければならなくなったことだ。
眠っていた男とは、第3戦で決勝タイムリーを放った小笠原道大だ。
日本シリーズには度々「逆シリーズ男」なる選手が現れる。
それは誰にでも該当するものではない。チームの主軸に限って付けられる不名誉な称号。
小笠原は第2戦まで8打数1安打と、それに最も近い位置にいた。
およそ第3戦まで快音が続かなければ、逆シリーズ男になる確率は高い。
1995年のイチロー(オリックス)は3試合で10打数2安打、2000年の松中信彦(当時ダイエー)
は19打数1安打、2002年の和田一浩(西武)は11打数無安打だった。小笠原にしても、
このゲームで1本も出ずに、結果、チームも日本一を逃すようなことがあればA級戦犯になりかねなかった。
不振の小笠原を甦らせたのは、言うまでもなく3回の本塁打と5回の勝ち越しタイムリーだ。
とはいっても、復活のきっかけをそれだけに集約してしまっては面白くない。
カギとなる場面がふたつあった。
第2打席のファウルと第4打席のレフトフライをどう見るか?
ひとつは本塁打を放った2打席目の初球。
外角のフォークボールに泳がされてしまいボテボテのファーストゴロ、
になりそうな打球がファウルとなった。
フェアゾーンとの境界線は数10cm。小笠原クラスの打者であれば、
その打席でタイミングをアジャストすることができる。
糸数にとっては不運だったが、このファウルが好調時のタイミングを呼び覚まさせた。
(>>2以降に続きます)
ソース:Number Web
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