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(略)
米国留学経験のある両親が英会話教室を経営していたこともあり、
米国は“異国”ではなかった。ただ「決してメジャーが最高峰だと思わない。
ドキドキする勝負は日本国内でもできる」と親しい人間には漏らし続けてきた。
その一方で、球団内にはダルビッシュがポスティングを希望すれば、容認すべきではないかとの見解もあった。
今季年俸は2億7000万円。今後も高騰すれば、球団経営の観点から“体力”は持たない。
今春には球団関係者が、非公式ながらメジャー移籍の意思を問いただした。
気色ばんだ表情で返ってきた答えは「そんなに追い出したいのですか?
僕はファイターズが一番いいんです」。事実上の“生涯ハム”宣言だった。
この背景にはチームへの深い感謝がある。ルーキーの05年に喫煙問題で無期限謹慎処分を受けた。
冷たい視線を浴びるのは覚悟していた。
しかし、当時のヒルマン監督をはじめ、ナインから掛けられた言葉は「オレたちは待っているからな」。
短いその一言が“宝物”となった。
だからこそWBCで酷使した体にむち打ち、チームのために投げ続けた。
右肩、腰、股関節…。あちこち悲鳴を上げた。鎮痛剤を飲み、座薬を入れマウンドに上がったが、限界だった。
2度の出場選手登録抹消。「もう今季は投げられないかも…」と弱気な言葉も飛び出したが、
優勝を成し遂げた今、視線は前だけを向いている。
「すぐにでも(マウンドに)立ちたい。そのためにしっかり準備をしている。
CSでもしっかり(マウンドに)立てるよう頑張る」。前日にはブルペン投球を再開。
時を合わせるかのように伸ばしていたあごひげもそった。「嫁さん(紗栄子夫人)から“気持ち悪いから”って言われたんで」。
それは照れ隠しで、完全復活への誓いに他ならない。
ビールかけは自粛。美酒は日本一になったときに思い切り浴びればいい。
ソース
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