09/09/12 01:50:14 0
(>>3より)
神保 本来は再販問題の利害当事者ではないはずのテレビが、クロスオーナーシップのせいで、
再販問題について報じられなくなっています。テレビが完全に利害当事者になってしまったん
です。逆に、新聞社が権力に弱い放送局を持っていることで、権力の影響を受けやすくなって
しまっている。クロスオーナーシップは多くの先進国で禁じられているのですが、その理由は
「言論多様化の妨げになる」からです。日本では「テレビ局をやろうとすると、新聞社と組まないと
明らかに不利」ということで、クロスオーナーシップが組み合わさった結果、5大紙にテレビ5系列
が存在しています。このような状況では、例えば朝日新聞とテレビ朝日とで根本的に立ち位置が
違うような状況が生まれるはずがありません。他系列も同様です。この時点で、本来は10
あるべき言論が、5になってしまっている。メディアというのは、特別な存在です。何か世の中に
問題が起こった場合、それをメディアが伝えるからこそ、「世の中が、それを許容しない」という
ことが起こる。一方、メディア自身が、自分の行為を「すみませんが、自分はこんな良くない
ことをやっているんです」とカミングアウトすることはありません。唯一、この状況を正す方法は、
メディア間での相互批判を担保することです。例えばNHKが民放を、雑誌が新聞を、新聞が
テレビを批判する、といったように。ところが、クロスオーナーシップで、「新聞-テレビ」という最も
影響力のあるメディアによる相互批判が失われています。「再販問題をテレビが全く報じない」
というのが、その典型です。
■マスコミ既得権益が何かを知らないことが多い
―民主党は、クロスオーナーシップの見直しを掲げています。
神保 日本にも「新聞とテレビとラジオを同時に持たなければ良い」という「集中排除原則」が
あります。この原則の見直しが進むはずです。ものすごい抵抗にあうと思いますが、彼らが着手
できなかった場合は、こちらから後押ししないといけないと思っています。ただ、惜しいのは、この
くだりが政策集「INDEX2009」にしか入っていなくて、マニフェストには盛り込まれていないことです。
(>>5以降へ)