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押尾さんの起訴理由は麻薬取締法違反罪（使用）だけです。娘とＭＤＭＡを飲み、
さらに娘が異常反応を見せていたにもかかわらず、『逃走』しています。
保釈したということは、その責任が問われることなく、
警察は押尾さんへのさらなる取調べを放棄したということじゃないですか」
こう語るのは、押尾学被告（３１）によって東京・六本木ヒルズの住居棟の一室に
置き去りにされ変死した、銀座クラブホステスのＴさん（享年３０）の母親だ。
事件の真相究明を訴えつづけていた遺族は、ここにきて警察への不信感をあらわにしている。
Ｔさんに異常反応が出たのは８月２日の午後６時半ごろ。１１９番通報があったのは、
警察の記録で９時１９分と判明しており、Ｔさんは３時間近くも放置されている。
「押尾さんがその間に何をしていたのか、今でも何もわからないままなんです」
Ｔさんの母親はやるせない表情だ。遺体を引き取るために麻布署に駆けつけたときから、
何も知らされなかった。
「私たちが求めているのは警察による真相解明。それは変わりません。でも、
娘の四十九日法要が終わって、区切りがついたら―あくまで選択肢のひとつとしてですが、
提訴も考えたい。協力を申し出てくださる方々もいます。
死人に口なしとばかりに、娘に責めが負わされるのは不憫でなりません」
苦しむＴさんを見捨てて逃げ出し、取調べにも言を左右にしてきた押尾被告。
Ｔさんの両親の悲痛な叫びを法廷で耳にしたとき、真実を語るだろうか。
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