09/08/27 08:21:06 Iu2PMDy0O
菊地が加入してトリニータは変わった。
菊地は「練習中は歯を見せるな」と私語を禁止し、ランニングも「下を向いて走るな」とまるで軍隊のような厳しさをチームメイトに求めた。
彼は酒、タバコを一切やらず、夜遊びもしない。
チーム合宿中、練習以外の時間は大半が読書か語学に費やされる。
そんなストイックな元五輪代表に若手選手はついて行けなかった。
見かねた高松が、菊地に「若手が緊張している。パーティを開いて打ち解けよう」と提案した。
菊地は「大樹、ありがとう。僕も磐田に入団したばかりの頃は、先輩たちを前に緊張していたものだ。早速、今夜ミーティングルームでパーティを開こう」と応えた。
その晩、選手たちはミーティングルームに集合した。軍隊並みの厳しい合宿で初めて息抜きが出来る、そう喜びながらドアを開けた。
テーブルの上には、ミネラルウォーターとカラフルな野菜スティックが所狭しと並べてあった。
「ようこそ、パーティへ」菊地は上機嫌だった。