09/08/19 19:17:13 0
(>>7の続き)
―ではどうすればいいのでしょうか。
郷原 難しい問題です。BPO検証委などはあてにならないし、さりとて何か組織を別につくれば
解決する話でもありません。最後は、記者一人ひとりがプロフェッショナルとして恥じない
公明正大さを持ちながら、互いにチェックし合っていくしかない気もします。会社側もそういう
記者たちを尊重する組織であるべきでしょう。
―視聴者の信頼という観点から、テレビは今後も生き残ることができるでしょうか。
郷原 何だかんだ言ってもテレビは視聴者に依然大きな影響力を持っています。テレビで
物事が単純化され、世の中全体に一方的な見方が植え付けられると、それを是正することは
困難です。しかし、インターネットの浸透もあって、その批判の前提が間違っていることが多い
ということに気付く人が増えています。現状のままではテレビに対する信頼が一層崩れていく
ことになりかねません。テレビ事業者が自主的に放送内容の真実性を確保するための
システムを構築し、それがきちんと機能しているかどうかをチェックする制度を確立する
必要があるでしょう。
<郷原信郎さん プロフィール>
ごうはら のぶお 1955年、島根県松江市生まれ。東京大学理学部卒業。
東京地検特捜部検事、法務省法務総合研究所研究官、長崎地検次席検事などを歴任。
2005年から桐蔭横浜大学法科大学院教授を務め、09年に名城大学総合研究所教授、
同大コンプライアンス研究センター長に就任。07年には不二家の信頼回復対策会議の議長、
09年には西松建設の違法献金事件を受けた民主党の第三者委員会の委員も務めた。
著書に「『法令遵守』が日本を滅ぼす」(新潮新書)などがある。
(終)