09/08/19 19:16:31 0
(>>3の続き)
―TBS固有の問題なのでしょうか。
郷原 TBSが特にひどいと思いますが、根本的には、テレビ業界全体の問題です。関西テレビ
の「あるある」のケースでは、「捏造」問題への自主的対応は十分に行われたと言えますが、
外部の指摘・調査で言い逃れができない状況に追い込まれていなかったら、あそこまでの
対応はしなかったと思います。
■間違ったときいかに誠実に検証できるかが問われる
―テレビ全体に共通する構造的な問題があるということでしょうか。
郷原 そうです。まず「視聴率と利益を追及する」ことと、真実に迫り、誤った放送をしないこと、
この二つが調和しなくなっているのではないでしょうか。広告減が進み、利益を上げるためには
制作費を削る。つまり、真実に迫るための取材にあまり金をかけることができなくなる一方で、
視聴率を取るために、面白さが求められる。世の中で実際に起きたことを単純化して、面白
おかしく報じた方が視聴率を取れるということで、真実に反する放送が行われる恐れは一層
大きくなっていくのです。視聴率をバックにした広告収入で成立している現在の経営形態を
抜本的から考え直す必要があると思います。また、これはテレビに限りませんが、マスメディア
は「報道は常に真実でなければならない」という建前を維持しようという「真実性のドグマ」に
とらわれています。もちろん、真実に限りなく迫る努力を最大限すべきですが、結果的に
間違ってしまうことは起こり得ます。報道の真実性について問題が指摘されたときに、いかに
誠実に検証できるかが問われるのですが、建前を維持しようとするため、間違いの検証に
消極的になっているのです。コンプライアンスを取材・報道に組み込むメディアは生き残り、
そうでないところは淘汰される環境の実現が大切です。
(>>5以降へ)