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>>6の続き
クリケットという競技がある。発祥は英国で、18世紀には正規のルールが決められプレー
されていた、野球よりもはるかに歴史のあるスポーツだ。クリケットも攻守交替があり、
投手がボールを投げ、打者がそれを打つ形態。野球の原形ともいわれる競技だが、
日本には普及していない。もし、このクリケットがオリンピック競技の候補になったら、
大半の日本人は反対にまわるだろう。同系統の競技でさえ普及していなければ理解されない。
野球もソフトボールも、多くの国の人からはそのように見られているはずなのだ。
加えてサッカーなどは、ボールが1個あればすぐに始められるが、野球はさまざまな用具が
要る。ボールにグラブ、バット、ヘルメット。キャッチャーにはマスクや防具が必要だ。
ルールが難解なうえ用具一式を揃えなければプレーできないとなれば、普及には相当の
努力が求められる。指導者を派遣し、用具を贈るといった負担を覚悟しなければならないのだ。
しかし、発祥国のアメリカはそれを怠ってきた。もちろん創成期には国際的普及の努力は
見られた。日本に野球が伝わったのは1871年。ホーレス・ウイルソンというアメリカ人が
東京大学の学生に教えたことがきっかけで広まり、現在の隆盛につながった。近隣の
中米諸国にも野球は同様に伝わり、盛んにプレーされるようになった。だが、その後は
国内のMLBをビジネスとして繁栄させることが優先され、普及活動にはあまり力を
入れてこなかったといわざるを得ない。
日本も同様だ。南米に移住し成功した人が私財を投じて普及活動をした例はある。
元阪神監督の吉田義男氏がフランス代表の監督として指導したこともあるし、草の根
レベルでは国際普及の努力はされてきた。が、日本野球界が総力を結集しプロジェクト
として国際普及に取り組んだという話はない。プロ、社会人、学生の各主催団体が、
自分のところの人気を集めることに力を傾注。国際普及にまで考えが及ばなかったのだ。
だから、このような事態を招いたといえる。
>>8以降へ