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花形の人材を競合他社に渡し、その数カ月後に再雇用。管理職を気分次第で指名し、安過ぎる値段で製品を売る。
こんな慣行の企業はつぶれるはずなのに、プロサッカーのチームがあまりつぶれないのはなぜだろう。
こんな「謎」を集め、調査に基づき合理的な答えを見つけた「ホワイ・イングランド・ルーズ(仮題:イングランドはなぜ負けるのか)」
は、ゴーストライターが代筆した選手の自伝に飽き飽きしているサッカーファンにお薦めの一冊だ。
◆経営陣が無能でも
共著者のサイモン・クーパー、ステファン・シマンスキー両氏は「大半の業界で、不良企業は破産するが、
サッカーチームの破産はほとんどない」とし、「経営陣の無能にもかかわらず、サッカーチームは地球上で
最も安定した企業に数えられる」と書いている。
同著は題から想像されるよりも幅広い読者にとって興味のある内容だ。クーパー氏は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の
スポーツコラムニスト。シマンスキー氏はロンドンのシティー大学カス経営大学院で教えている。
1923年にイングランドのサッカーリーグが発足したときのチーム数は88。その97%が約85年後の2007~08シーズンにも
存続していた。しかも、本著が引用している調査の1つによれば、大半はリーグの同じディビジョンにとどまっている。
12年以降の80年程度の間に、世界の大企業100社に起こったことを見てみよう。著者らが引用する別の調査によると、
95年には半分近くが姿を消し、生き残りの多くは新しい分野や場所へと移動していた。
イングランドのサッカーチームが戦略的に選択してきた道を考えると、その生き残り力は意外だ。
例えば、業界は長い間、テレビ向けの放映権販売という収益機会を最大限に生かすことができなかった。新たに誕生した
プレミアリーグ(最上級リーグ)が92年にメディア王、ルパート・マードック氏に放映権を販売した価格はシーズン当たり
約6000万ポンド(現在のレートで約93億2760万円)。著者らによると、今はこの約10倍の値段になっている。
(続く)
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