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「柔道事故 対策講じて」
2010年06月14日
柔道の事故で死亡したり障害を負ったりした子どもの家族らでつくる
「全国柔道事故被害者の会」が13日、東京都中央区で、事故を考える
初のシンポジウムを開いた。
学者や医師が事故の現状や予防策を解説。昨年夏に部活動中に意識
を失い死亡した愛荘町立秦荘中1年の村川康嗣君(当時12)の母弘美
さん(42)が体験を語り、柔道界に安全に配慮した指導の徹底を訴えた。
(堀川勝元)
シンポジウムのテーマは「柔道事故と脳損傷」。被害者の会のほか、柔道
界や文部科学省の関係者ら約130人が参加した。
愛知教育大教育学部の内田良講師は、2009年度までの27年間に柔道
の部活動や授業で中学、高校生109人が亡くなり、死亡率が突出して高い
スポーツと報告。初心者の事故が多く、12年度からは中学の授業で柔道
などの「武道」が必修化されることに触れ、「事故の実態や発生のメカニズム
を理解した指導者の育成が必要だ」と訴えた。
神奈川県立足柄上病院の野地雅人・脳神経外科部長は、柔道で引き起こ
される脳障害のメカニズムを解説。頭を打たなくても投げ技の回転時に脳が
揺さぶられて血管が切れる可能性を指摘し、「頭痛や意識の薄れなどの
症状が現れた場合はすぐに練習を中止して」と述べた。
弘美さんは、柔道初心者の村川君がふらふらの状態で乱取りを続け、意識
を失った後に死亡した経緯を説明。「投げ技で脳の血管が切れることはスポ
ーツ医学の世界では常識だが、学校側は情報を持ち合わせていなかった。
日本で毎年死者が出るのは、柔道界が原因究明をおろそかにし、具体的な
対策を講じてこなかったからだ」と述べた。
最後に、息子が脳障害を負った被害者の会の小林泰彦会長(63)は「願いは
二度と事故を起こさないこと。子どもたちに、柔道を学びなさいと言えるように、
再発防止の手を打ちたい」と話した。
URLリンク(mytown.asahi.com)