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火星でもハチ飛べる! JAXAなど実験 宇宙農業、授粉役に期待
3月8日7時56分配信 産経新聞
重力が地球の約3分の1しかない火星でも、ハチはちゃんと飛べる
可能性が大きいことが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と玉川大
の航空機を使った共同実験で分かった。
人類が将来、火星で生活するには、野菜を現地生産する「宇宙農業」
が必要で、ハチは農作物の授粉役として火星でも活躍してくれそうだ。
実験に使ったのは、トマトの栽培農家が授粉に利用しているマルハナ
バチの仲間で、在来種のクロマルハナバチ。今年2月、約30匹を箱
に入れて航空機に乗せ、宇宙を模擬した重力環境で飛べるかどうか
太平洋上空で実験した。
航空機を急上昇・急下降させることで数十秒間、重力の小さい環境を
つくり、ハチの挙動を観察。その結果、無重力の状態では壁にぶつ
かることが多く、うまく飛べなかったが、火星と同じ低重力では、体を
制御しながら飛んでいた。
低重力を経験したハチは、実験を繰り返すうちに飛び方が上達する
“学習効果”が表れた。また、空中で静止するホバリングという飛び方
は花粉集めに適しているが、これに似た動きも観察された。
昆虫の飛行メカニズムと重力の関係は、まだ謎が多い。ハエやチョウ
は、米航空宇宙局(NASA)などの無重力実験でうまく飛べなかった。
火星と同じ低重力で昆虫の飛行を確認したのは世界で初めて。
実験チームの佐々木正己・玉川大教授(応用昆虫学)は「ただ浮かん
だのではなく、間違いなく飛んでいる。どんな仕組みで飛行を制御して
いるのか興味深い」。山下雅道JAXA教授(宇宙農学)は「火星の食事
には甘いお菓子も必要。ハチを利用できれば、野菜の授粉とはちみつ
で一石二鳥」と期待を寄せる。
URLリンク(headlines.yahoo.co.jp)