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『警察の力だけでは限界』 足立区、刑法犯ワースト返上へ
東京都足立区と警視庁が共同する治安再生事業。再開発で活気づく同区にとって「刑法犯認知件数ワースト返上」
はイメージアップを図る上での悲願だ。一方で、犯罪抑止対策を進める同庁の幹部は「警察の力だけでは限界」と
タイアップの理由を打ち明ける。区内の防犯ボランティアからは「住民の規範意識を高めてほしい」「若い世代に
も防犯意識を持つよう啓発して」と期待の声が聞かれた。
「本当は住みやすい所なんだ」。足立区北部の鷲宿町会で防犯部長を務める公務員真野清巳さん（５９）は苦笑し
ながら話す。
区内では、二〇〇五年につくばエクスプレス、昨年は日暮里・舎人ライナーが開業。各地区で再開発が進み、高層
マンションや大型商業施設が次々できた。人口は今年一月現在で約六十五万八千人と、五年前から一万二千人増加。
東京芸大や放送大学など五つの大学の誘致に成功した。
「でも、イメージアップにならないのは『都内で最も危険な街』というイメージが先行してるから。確かに、路上
のごみや駅前の放置自転車、公園の落書きの多さというルーズさが犯罪を呼び込んでいる側面はある。改善に本気で
取り組まないと」と、真野さんは言葉に力を込めた。
西新井大師周辺で夜間のパトロールを続ける同区の会社員大塚広雄さん（５９）は「防犯ボランティアは年長者主
体。若い世代が自分の街への防犯意識を持てば、状況は変わるのでは」と指摘。「事業をトップダウンで押しつけず
に、住民に根気よく防犯の啓発活動をしてほしい」と注文した。
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続く