09/12/06 12:53:50 0
国が企業に休業手当の一部を助成する雇用調整助成金の利用が
急増しているため、財源となる積立金が、2010年度末に3千億円程度
足りなくなる恐れがあることが4日、厚生労働省の試算で分かった。
景気の低迷が長期化するなか、同省は今後も多くの利用があると
みて、失業給付向けの積立金からの借り入れで不足額を確保すること
を検討している。
雇用調整助成金は、国が企業に従業員の休業手当や教育訓練中の
賃金を助成し、解雇を食い止めるのが狙い。昨秋以降の雇用情勢の
悪化で、要件の緩和や助成率の引き上げが繰り返された。大企業は
最大で休業手当の4分の3、中小企業は9割が助成される。
利用を申請して計画が受理されたのは、昨年10月には140事業所
の3632人分だったのが、今年10月は8万4672事業所の197万
2568人分に増えた。
財源となる労働保険特別会計の雇用安定資金は、雇用保険料のうち
企業の負担分でまかなわれている。利用の急増で、08年度末に
1兆円余りあった残高は09年度末には3500億円に減る見通しだ。
2010年度末の残高は、10月時点では1100億円になると試算して
いたが、新たな経済対策で12月から要件がさらに緩和されたことや、
雇用情勢の厳しさが続いていることから、3千億円程度の不足が
生じる見込みとなった。
同省は不足分を一般会計から直接、穴埋めすることを検討したが、
政府内の調整がつかなかった。このため、労使折半の雇用保険料と、
国庫負担を財源とする失業等給付の積み立てから不足額を借り入れるよう
検討している。失業手当の受給者も増えているが、残高は09年度末で
4兆8千億円あり、一時的な借り入れであれば給付に影響がないと
判断した。(林恒樹)asahi.com
URLリンク(www.asahi.com)