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ブルーギル、陛下に贈られた15匹の子孫証明
国内で繁殖している外来魚「ブルーギル」は、天皇陛下が皇太子時代の
1960年に、米シカゴ市長から贈られた15匹の子孫であることが、
三重大学生物資源学部の河村功一准教授(水圏資源生物学)らによる
ミトコンドリアDNAの分析で判明した。
2年前、大津市の琵琶湖畔で開かれた「第27回全国豊かな海づくり大会」
で、陛下ご自身が米国から持ち帰ったことに言及され話題になったが、
科学的にもその事実が裏付けられた。
ブルーギルは体長10~20センチの北米原産の淡水魚。主に肉食で、
繁殖力が強い。河村准教授らは、生態系を脅かすブルーギル駆除の
ため、遺伝子の特徴を調べるよう水産庁から依頼を受け、全都道府県
の56地点で計1398匹、原産地・米国の13地点で計319匹を採取し、
ミトコンドリアDNAの塩基配列を解析した。
その結果、国内で採取したすべてのブルーギルの塩基配列が、1960年
に陛下に贈られたブルーギルの捕獲地・アイオワ州グッテンベルグの1地点
で採取したものと、完全に一致した。
ブルーギルは陛下の帰国と同便で持ち帰られ、食料増産を図る目的で、
水産庁淡水区水産研究所が繁殖を試みた。その後、滋賀県と大阪府の
試験場に数千匹が分け与えられたほか、本州や四国、九州の湖に放流
されたが、食用としては定着せず、繁殖しながら分布域を広げていった。
河村准教授によると、現在、全国での生息数は数億匹に上るとみられる。
大繁殖の結果、琵琶湖ではニゴロブナなどの漁獲量が激減したという。
陛下は2007年11月の「海づくり大会」式典で、ブルーギルの繁殖が問題と
なっていることに触れ、「心を痛めています」と述べられた。(続く)
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
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