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民主党が大勝した平成19年夏の参院選後、党の政策責任者である政調会長に
就任した。だが、党内にはその手腕を疑問視する声が少なくなかった。
「本当に直嶋さんで大丈夫なのか」
歴代政調会長には、仙谷由人(現行政刷新担当相)、枝野幸男、海江田万里の
各衆院議員ら比較的知名度のある論客が並ぶ。これに対して、直嶋氏はほぼ無名。
参院議員が政調会長に就任するのも前例がない。文字通りの大抜擢だった。
ある民主党関係者は次のように証言する。
「当時の小沢一郎代表が『地味で実直で優しい感じが、今の時代に合う』との
理由で選んだ」
約2年間の政調会長在任中、後期高齢者医療制度や労働者派遣法の見直しについて、
社民、国民新両党との調整を重ねた。カウンターパートの一人だった社民党の阿部知子
政審会長は、「相手の立場も踏まえた上で話ができる、誠実でバランス感覚がある人。
交渉相手として信頼できた」と語る。野党時代の政調会長としては適任だったということに
なる。民主党内でも現在は「くせのある党内の政策オタクや若手をよくまとめた」(党関係者)
と評価されている。
3人兄弟の長男。早くに父親をなくし、汽車製造会社で働きながら定時制高校に通った。
昭和46年、神戸大学経営学部を卒業し、トヨタ自動車販売(現トヨタ自動車)に入社。
全国の販売統括などに従事し、同社労働組合の専従職員に。その後、全トヨタ労連、
自動車産業の労働組合でつくる全日本自動車産業労働組合総連合会(自動車総連)
へと移り、自動車関係諸税など産業政策を担当した。
平成4年の参院選に自動車総連の推薦を受け、民社党から出馬(比例代表)し初当選。
新進党、新党友愛を経て平成10年に民主党に加わった。
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