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中国の胡錦濤国家主席は10日、北京で開催された一連の会議を
「成功だった」と総括した。特に、会議を通じてより鮮明になった鳩山の
「アジア重視」について、中国側は「日米同盟の弱体化、東アジアでの
米軍の影響力低下の方向にかじが切れるのではないか」(中国政府関
係者)と期待感を強めている。
中国はこの日の日中韓首脳会議で、鳩山が唱える東アジア共同体
構想について、温家宝首相が「東アジアでは、既存メカニズムの協力が
進んでいる」と、日本が主導権を取ることへの警戒感をにじませた。
しかし、鳩山が「米国に依存しすぎていた」と公言したことは、「日本の
対米追従外交」(中国政府関係者)から脱却する一歩として“歓迎”している。
中国政府関係者は同構想について「(日米間に距離が生じ)中・米・日
がそれぞれ等距離となり、中国包囲網の構築を回避する方向にもって
いければ中国の国益にかなう」と話す。
同構想で中国が期待するのは、あくまで「域内の自由貿易」推進など
の経済協力であり、共産党一党独裁体制の中国が、政治的問題や
安全保障面での統合を考えているわけではない。
しかも、中国は建国60周年の軍事パレードでも示されたように、軍拡
路線を邁進(まいしん)している。鳩山政権の動きは、日米同盟の
対中圧力を弱めることにつながり、軍事大国を目指す中国の国益に
直結する。
また、東アジア共同体構想は「互恵」が基本だ。環境保護や気候変動、
再生エネルギーなどの分野での協力は、中国にとって日本の科学技術
を得ることにつながる。今後、東アジア共同体構想が具体化するに
つれ、科学技術など国家戦略的に有益なものを選別し、利益を得る
戦略を鮮明にしてくるとみられる。goo 産経 北京=野口東秀
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