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参政権「前向き検討」 議論なく…情緒的対応
【ソウル=阿比留瑠比】鳩山由紀夫首相が9日、日韓共同記者会見で永住外国人
への地方参政権付与について、「時間はかかる」としながらも実現に意欲を示したことで
この問題は半ば「国際公約」化してしまった。李明博大統領との首脳会談では
「この話は出なかった」(政府筋)というが、十分な国内議論を経ずに、首相自らが韓国側の
期待感を膨らませたことは間違いない。
▼重い発言
「私個人の意見はご存じだと思う…」
鳩山首相は記者会見でこう述べ、暗に自分は参政権付与の理解者であることを
訴えていた。首相としては、実現には憲法論をはじめいくつものハードルがあることを
におわしたかったのかもしれない。だが、一国のリーダーがその政策を求める相手国で
「前向きに結論を出していきたい」と表明したことは重い。
鳩山首相はもともと、この問題を情緒的、心情的にとらえてきたようだ。
民主党幹事長時代の今年4月にはこんな風に語っている。
「まさに愛のテーマだ。(自身が)友愛と言っている原点がそこにあるからだ」
「仏教の心を日本人が世界で最も持っているはずなのに、なんで他国の人たちが、
地方参政権を持つことが許せないのか」
だが、外国人地方参政権は地方自治のあり方、ひいては国の安全保障とも密接に
かかわる重要問題だ。まして、鳩山首相自身が「地域主権」を掲げているのだから
なおさらである。また、韓国だけを向いて議論すべき課題でもない。
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