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民主に動揺 言葉少ない首相
鳩山由紀夫首相の資金管理団体をめぐる虚偽献金問題の捜査に
東京地検特捜部が着手したことで、政権は発足後初めてといえる
難題を抱えた。首相周辺は「告発を受けたら捜査するのは当然だ」と
平静を装うが、参院補選と臨時国会を間近に控え、政権の先行きへ
の懸念も広がる。
首相は3日朝、国際オリンピック委員会(IOC)総会が開かれたコペ
ンハーゲンから帰国した。まっすぐ帰宅する予定を変更し、平野博文
官房長官と約1時間半、首相官邸の一室にこもった。
「私の知る限りはもう話してありますから」。夕刻、都内で開かれる
ファッションショーにゲスト出演するため自宅を出た首相は、記者団か
ら説明責任を問われて、言葉少なだった。えんじ色のジャケットにピン
クのチーフを差した装いの明るさとは対照的に、表情は沈鬱(ちんう
つ)だった。
鳩山氏は、9月16日の首相就任会見では「もっと説明を尽くす努力
はして参りたい」と語っていた。ただ、織り込み済みの事態ではある。
首相は組閣時から手を打っていた。
最大の布石は、情報収集能力や根回しにたけた最側近の平野役員
室長(当時)の官房長官への抜擢(ばってき)だった。6月の問題発覚
後、裏で事態収拾にあたらせていた。鳩山氏はそのころから首相就
任を見据えて「平野を官房長官にしたい」と漏らしていた。さらに、
政務秘書官には告発の対象とされた側近秘書の登用を避け、官僚
出身者を配した。
だが「捜査着手」が現実のものになり、民主党内に動揺が走っている。
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