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普天間移設:政府、方向性示せず 協議会は見直しへ
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)のキャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市)への
移設計画で、平野博文官房長官は2日、岡田克也外相、北沢俊美防衛相、前原誠司沖縄
北方担当相を首相官邸に集めて協議した。だが民主党の主張に沿って現在の計画を県外
移設に見直すか、方向性は示せなかった。
今月下旬にはゲーツ米国防長官、11月にはオバマ米大統領の来日が予定されている。
平野氏は2日、毎日新聞などとのインタビューで、大統領来日までに「包括的な考え方を
持っておかなければならない」と語った。しかし外務省幹部は「タイミングもスケジュールも
合意できていない」と指摘する。対米交渉の戦略すらまだ作れていない状態だ。
「日にちがない。頻繁に情報交換しよう」。北沢氏は2日の協議で焦りを見せた。先月26日
に沖縄を訪問した際に「県外・国外移設は極めて厳しい」と述べたことには「方向性は出して
いない」と釈明した。
今月13日は、現在の計画を容認している仲井真弘多・沖縄県知事が、環境影響評価
準備書への意見を提出する期限日だ。このままでは、政権の対応が定まらないまま、
知事が決断を迫られる奇妙な事態となる。
15日は普天間移設費に関する概算要求の見直し期限でもある。自公政権は前年度
予算と同額の約290億円を「仮置き」してきた。平野氏は2日の記者会見で、自公政権
時代から政府と地元自治体の協議の場として設けられている移設措置協議会を見直す
考えを明らかにしたが、概算要求で「仮置き」を踏襲すれば政権の決定能力も問われ
かねない。しかし、現在の計画見直しに前向きな岡田氏は、会談後の記者会見で「決着
(年末の予算編成)までに最終決着すればいい」と早くも先送りする考えを示した。
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