09/09/04 11:03:05 YozWVQSs0
効率的な商品管理システムを導入したことで、安価で品質の良い寿司を提供する
ようになった回転寿司。高価なイメージを排除し、ファミリー層を取り込むべく熾烈
(しれつ)な競争を繰り広げるこの業界に、昨年新規参入した一つの企業が今注目を
浴びている。
近畿圏を中心に現在36店舗を展開している「超速ずし」(本社・京都市)は、
その名の通りスピードを売り物にしている。一般的な回転寿司のレーンは分速
15メートルほどだが、この企業のレーンはその8倍の分速120メートルで流れる
。分速120メートルと言えば、時速7.2キロ。人間で言えば、早歩き程度のスピードだ。
だが、この速さこそが人気の秘訣であると言う。担当者が「回転寿司業界の常識を
打ち破った」と誇らしげに語るこのシステムは、遠くにある寿司が手元に届くまでの
まどろっこしさをなくすことで、商品の提供が迅速に行える。またレーンのスピードに
つられて、食事にかかるスピードも1人当たり15分ほど短縮でき、結果的に客の
回転率が高まることにつながった。実際に、レーンの高速化によって来客数が
2倍になった店舗もある。
レーンの高速化による弊害もないわけではない。レーンのカーブ部では遠心力の
ために寿司が飛ばされてしまうことも多く、角の部分に座る客から「皿も取ってないのに、
勝手に炙りサーモンが口に飛び込んできた」という苦情もあった。現在ではカーブ部に
ショック吸収の壁を立て、飛び出す寿司を跳ね返して再び皿の上に戻すようにすることで、
問題は解消している。また、年配の客からは「流れるのが速すぎて目当ての皿が取れない」
と言われたこともあった。この点についても「最初から年寄りは客として見ていない」
(広報担当者)と切り捨てることにして、問題を解消した。
好調な業績に合わせ、超速ずしでは今後1年間でさらに20店舗の出店を予定している。
同業他社の間でもレーンの高速化を検討する動きが広まりつつあり、ある回転寿司チェーン
担当者は「向こうが8倍ならこちらは10倍で行く」と語る。低価格競争が一段落した回転寿司
業界だが、今後はレーンの高速化競争が始まろうとしている。
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