10/05/07 04:58:13 P8DvOXDY0
>>524
物語は本来、恵理菜が主人公であるべきだったと個人的には感じております。
自分の意志と関係なく、誘拐されて父親の不倫相手に育てられる境遇。
しかも希和子に誘拐を誘発させた原因が自分の父親丈博のだらしなさ(と、ドラマ
では描き切れてませんが、恵津子の言動)であったこと。
他人に育てられていた期間が不幸であればある意味、恵理菜も精神的に救いに
なったかも知れませんが、幸せであったことが皮肉にも恵理菜を追いつめます。
誘拐されていた時期が幸せと感じられ、実両親のもとで暮らすことが辛く感じる
状況を恵理菜に与えた希和子は誘拐したこと以上にとても罪深いのです。
だからこそ、希和子は生きる希望以外の全てを、「薫」を永遠に失ったのです。
懲役刑は単なる法律上の罰でしかなく、希和子に対する本当の罰は薫を失ったことなのです。
反対に希和子を追いつめたことは、私はあなたの考えと異なり、
倫理的な罪と考えます。特に丈博の取った卑劣な行動は許し難いのではないでしょうか。
その罰としてぎくしゃくした家庭になったことは丈博に十分責任はあると思います。
私はそこの罪と罰のバランスについて述べているのです。あなたに伝わらないでしょうけど。
丈博、希和子、恵津子、皆どうしようもない人たちばかりです。
いずれにしても人生のスタートラインをかき乱された恵理菜は最大限の被害者であるわけです。
物語的にはこういった出来事を単純化して両方が犯した罪と罰について善悪の決着を
つけることが主題ではなく、
血肉をわけた家族はどこまでも家族であること。
事の善悪を超越したところにも「子を思う愛情」が存在すること。を主題として
描こうとしたのだと思います。
ドラマの演出が拙いことと、この主題は別の問題としてとらえた方が良いかと思います。