10/05/07 01:41:20 P8DvOXDY0
恵理菜の両親はその行いに対して恵理菜を奪われ、幼少の時期を一緒に過ごせなかった。
そして恵理菜が戻った後も長い間ぎくしゃくした家庭となった。
希和子は誘拐した子供を「薫」として育て、つかの間の幸せを味わったが、誘拐の代償
として「薫」の濃い思い出の中で永遠に薫を失うことになる。
両者の犯した罪と罰のバランスについては見る者の考えで異なるだろう。
言えることは、どちらも側も結果が「絶望」ではなく、全てを失った希和子はそれでも
生きていく、生きていかなければとの思いを抱くし、恵理菜の両親はようやく親子の絆
を築くきっかけをつかんだ。
恵理菜は自分が誘拐されるきっかけをつくった自分の両親を憎み、自分を誘拐した
希和子を憎むことによって過去を封印し、自身の気持ちを辛うじて保っていたが、
過去に対して目をそらさずに見つめてみると、決して酷いものばかりでないことに気づく。
島での生活は誘拐犯希和子の確かな愛情に包まれていた。
恵理菜も「薫」として「京子」を愛していた。
家出するほどに愛しく、且つ子供時代の忌まわしい生活の遠因となる島の生活の過去を
受け入れ、本当の家族を家族として受け入れることで、自身をも受け入れることが出来、
ようやく未来へ向けて一歩を踏み出せるようになった。
その時に、恵理菜と希和子は一瞬邂逅する。
解釈は受け手によって様々。それでいいじゃないですか。
(異論は大いに認める)
#薫役の小林星蘭ちゃんは演技も良かったし、イメージにぴったりで可愛かった。
(異論は認めないw)