08/11/18 22:52:26 ehS1JCzt0
荒川さんとタラソワは師弟関係だった。でも真央ちゃんとタラソワは違う。
タラソワはかつて(というか、ついこの前まで)世界最高レベルにあった
ロシアフィギュアの集大成を真央ちゃんに投影したいと考えているよね。
仮面舞踏会。
そこまでタラソワを掻き立てるのは、真央がリンクの上で天使になるからだ
と思う。でも今回はうまく天使の羽を伸ばせなかったね。
会場で見ていると、話題を先取りしたいマスコミやエージェントがワンサと
取り囲んで、チーム真央の周りに真央軍団を形成していた。他の選手では
見られない異様な集団だった。
優勝は当たり前、200点を超えるかどうかが見どころ、と軍団の誰かが話し
ていた。圧倒的な演技で優勝することを求められているんだね、トリノの
ときのスルツカヤさんのようにね。
トリノといえば荒川さんはそれほど期待されていなかったよね。でも一部の
関係者や男子選手の中には、早くから荒川さんの金メダルを予測していた
人がいたんだよ。なんだかオーラが違うって。
あの頃、荒川さんは真央ちゃんに負け、主役は美姫ちゃんに奪われ、
全日本で村主さんに負け、メダル獲得の夢は消えていた。
でもオリンピックでは自分のために、自分らしく美しく滑りたいという思いが
芽生えて、メダル候補選手とは違う、オーラが生まれたんじゃないかな。
真央ちゃんは歴史上最高の女子フィギュアスケーターだけど、今は自分の
ためにスケートをしていない。ジュニアのときは何も考えず、思うままに
滑って競技も楽しんでいたのに、今は自分でない誰かのために滑ろうとして
いる。最高の演技を見せたいと常に言う真央ちゃん自身と、最高の演技を
投影したいコーチと、最高の結果を求めるマスコミと、その報道に気持ちを
高ぶらせるファンに囲まれて、知らず知らずの内に、スケートの楽しさから
気持ちが離れちゃったんじゃないのかな。
あの演技を見て、なんだか自分じゃない、何かが違う、って言う
(まだ少女の)悲鳴が聞こえるようで、とても悲しかった。
真央ちゃんには自分のために楽しんで滑って欲しいな。天使なんだから。