08/04/13 23:42:45.83 +YNlFKyZO
うちの真紅は昔から体が弱くて、それが理由かは知らないが、
の作る弁当はお世辞にも華やかとは言えないほど質素で見映えの悪い物ばかりだった。
友達に見られるのが恥ずかしくて、毎日食堂へ行き、お弁当はゴミ箱へ捨てていた。
ある朝真紅が嬉しそうに｢今日は〇〇の大好きな海老入れといたのだわ｣と私に言ってきた。
私は生返事でそのまま学校へ行き、こっそり中身を確認した。
すると確かに海老が入っていたが殻剥きもめちゃくちゃだし、彩りも悪いし、
とても食べられなかった。
家に帰ると真紅は私に｢今日のお弁当美味しかったでしょ？｣としつこく尋ねてきた。
私はその時イライラしていたし、いつもの真紅の弁当に対する鬱憤も溜っていたので
｢うるさいな！あんな汚い弁当捨てたよ！もう作らなくていいから｣とついきつく言ってしまった。
真紅は悲しそうに｢気付かなくて悪かったのだわ…｣と言いそれから弁当を作らなくなった。
それから半年後、真紅は死んだ。私の知らない病気だった。
真紅の遺品を整理していたら、日記が出てきた。
中を見ると弁当のことばかり書いていた。
｢ゆで玉子が爆発したのだわ｣日記はあの日で終わっていた。
後悔で涙があふれた。