08/01/27 23:43:51.27 zunJJk+w0
武「そして、絶対帰らなきゃなんねーだろ。死ぬ時は、勇者の顔見ながらって決めてんだよ。
あいつが俺の為に涙流して、あいつが俺が死ぬのが嫌で必死に首振って。
そう言う至福の思いしながら死ぬって決めてんだよ。だから、俺は死なねえ。」
ズドォンッ!
巨体の倒れる音。静かに着地した武闘家が、ゆっくりと盗賊の方に歩いていく。
ぐしゃぐしゃの顔で、武闘家の方をただただ、眺めている事しか出来ない盗賊の方に。
武「そう、丁度テメェみたいな顔を、勇者がした時だけだな。
テメェの前じゃ死なねえよ、ばーか。つっても・・・一回戻ろうぜ、勇者に回復してもらわねーと。」
盗「・・・薬草とかあるのに。勇者ちゃんの魔法じゃなきゃ回復しないもんね、武闘家ちゃん。
変に頑固で一途なんだから。」
カァァッ、武闘家の顔が真っ赤になる。
チッ、と一度だけ舌打ちをして、へたっと座り込んでいる盗賊の腕を引っ張った。
武「良いからさっさと行くぞ。置いてかれてーのか、」
腕を引かれながら、盗賊は武闘家の横顔を眺めていた。不意に、ぽつりと呟く・・・。
盗「・・・武闘家ちゃんもいいなーって、あたし最近思う様になってきちゃった。」
洞窟から脱出し、勇者の前に居る頃には、盗賊の左腕・・・武闘家が掴んでいた方の腕が折れていたとか。
その内続く