01/09/19 23:50
今更ですが、戸板康二さんの短編集「團十郎切腹事件」「小説江戸歌舞伎」を
読みました。
「團十郎切腹事件」はイマイチでした。とても古典的なアリバイ崩しミステリー
なんですが、老優雅楽探偵があまり魅力的だと感じなかったんですよね。
あと、時代が現代となっている点、戸板さんの配慮なのか役者じたいが殺人犯に
ならない点あたりも、私からすればふくらみに欠けます。
「小説江戸歌舞伎」は時代設定が江戸なので、時代小説として楽しめました。
團十郎ものでは、南原幹雄さんの「謎の團十郎」がとても面白かったです。
南原さんはこれ以外にも江戸の遊廓など悪場所を背景にした時代小説を書いて
いますが、どれもおすすめです。
あと、皆川博子さんの「花櫓」は中村座の話ですが、芝居小屋の猥雑さと美しさ
が生き生きと描かれていて、好きな作品です。