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夕刊フジ 9月5日(土)16時56分配信
抗日戦争勝利70周年記念の軍事パレードで「強い中国」を強調し
た習近平国家主席。
しかし、北京上空の人為的な青空は4日午前、再び汚染された。
「閲兵ブルー」と同様、株や人民元を強権的に誘導する政策効果も
長くは続かない。海外投資家は不信感を強め、100兆円規模の巨
額資金も流出、“宴の後”には厳しい現実が待ち受けている。
北京市内の微小粒子状物質「PM2・5」を含む汚染指数は4日午
前、「不健康」レベルを示す155を記録。普段の大気汚染状態に
戻った。
上海株式市場でも、政府系とみられる資金で人為的に買い支えられ
てきたが、政権のメンツを保つための「パレード相場」も終わりそ
うだ。
すでに株価の乱高下をめぐって英ヘッジファンド中国部門の女性ト
ップが拘束されたと報じられた。
また、ロイター通信は、規制当局の会合に呼び出されたあるファン
ドの幹部が、友人に「もし私が戻ってこなかったら、妻の面倒をみ
てくれ」と伝えたというエピソードを紹介。ロイターは別のコラム
で「中国の強権的な手法が投資リスクを大きくしている」と警鐘を
鳴らす。
実体経済も厳しい。中国国家統計局などが公表した製造業の景況感
指数は3年ぶりの低水準となった。大気汚染を改善するため、1万
2000カ所余りの工場の操業を停止させたことも影響したとされ
るが、問題がより根深いのはいうまでもない。
そして中国経済の異変を象徴するのが資金流出だ。「中国のアキレ
ス腱は対外資本収支」とみるのは武者リサーチ代表の武者陵司氏。
「2013年末から15年3月末の間の経常黒字は2952億ドル
(約35兆円)だったが、(本来なら経常黒字で増えるはずの)対
外純資産残高は逆に5922億ドル(約71兆円)も激減しており
合計8874億ドル(約106兆円)の対外資産価値が消失した計
算になる。消失した金額の巨額さを説明できるのは資本逃避だけだ
」と分析している。
人民元政策が迷走している背景にも資金流出問題がありそうだ。8
月に突如人民元を切り下げた習政権だが、今度は一転して人民元の
売り規制に転じた。武者氏は「景気対策のためには元安が必要だが
それは中国経済の命綱である資金流出を招く。二律背反に当局が追
い込まれている」と指摘している。
抗日行事直前の2日には、国際通貨基金(IMF)が報告書を公表
「中国の景気減速に伴う金融市場の混乱が収まらず、新興国経済の
先行きは厳しさが増している」と指弾した。
5日までトルコで開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央
銀行総裁会議でも中国経済が主要議題となり、IMFのラガルド専
務理事が世界経済の先行きに懸念を表明する見通しだ。抗日行事に
は日本や欧米主要国の首脳が不参加だったが、経済面でも世界の中
国離れが加速しているようだ。