16/05/30 12:50:37.50 CAP_USER.net
◆トランプ大統領ならば中国軍に尖閣諸島は奪われ、日米同盟は形骸化する…「米国を戦争に巻き込む」戦略を
尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐる日中紛争で《日本は5日間で負ける》とする、米国防総省に近い権威あるシンクタンクの米ランド研究所が関わった衝撃的シミュレーションを小欄は2月中旬、分析が《甘く、首をかしげる戦局も多々認める》と強く批判した。
ふと、気になってシミュレーションを読み返して、比較にならぬレベルの衝撃を受けた。
米国の不動産王ドナルド・トランプ氏(69)が米大統領選で共和党の候補指名を確実にしたことに加え、先進7カ国(G7)財務省・中央銀行総裁会議(21日/仙台市)ですきま風が吹いた日米為替認識の顕在化で、書架よりシミュレーション資料を引っ張り出したのだ。
トランプ氏には、外交・安全保障を「ソロバン上の損得勘定で短絡的に判断するのではないか」といった懸念がつきまとう。
シミュレーションによると、中国側が自衛隊に向けた軍事攻撃と並行して、米本土へのサイバー攻撃や経済市場攻撃を実行、金融パニックを引き起こす。結果、米軍は日米防衛体制に距離を置く。
「カネの切れ目が縁の切れ目」というわけだが、もっと最悪のシナリオは「金持ちケンカせず」。仮に、トランプ氏が大統領に選ばれれば、大都市機能や経済の壊滅リスクをもたらす中国のサイバー攻撃を警戒し、ハナから日本と関わらない新戦略にカジを切る可能性は排除できない。
複数の米シンクタンクが、無人島なのに日米・中紛争の火ダネとなっている尖閣諸島を「厄介モノ」視し始めたが、「危険なトランプ遊び」で尖閣は「厄介なババ」になるのだろうか…
◆学習不足で間違いだらけの米国「戦争ゲーム」
小欄をして、分析が《甘く、首をかしげる戦局も多々認める》と批判したシミュレーション形式の記事は米外交誌フォーリン・ポリシー1月15日号に掲載された。
ランド研究所の著名な戦争ゲーム専門家は協力しただけで、記者が取材・執筆したとされるが、若干の解説を交えてシナリオを紹介する。
【1日目】
日本の活動家らが尖閣諸島・魚釣島に上陸し、日本国旗を掲揚、YouTubeに流す。日本政府が対応に追われる間、中国は海警(海上警察力)を急派し、全活動家を逮捕・拘束する。
【2日目】
日本政府は周辺海域に海上自衛隊の護衛艦や航空自衛隊の戦闘機を展開させる。中国人民解放軍海軍も海軍艦艇を送り込み、一触即発の状況に。日本政府に、安保条約に基づく防衛義務を果たすよう求められた米政府は、
日本海に駆逐艦、尖閣諸島海域には攻撃型原子力潜水艦の派遣で応じた。ただ、空母は横須賀を出て西太平洋に退避する。
【3日目前半】
中国海警の巡視船が尖閣諸島周辺で日本漁船に体当たりし、沈没させ事態はエスカレート。海上保安庁は放水などで対抗する。が、中国海軍のフリゲートは30ミリ対空機関砲で射程内に入った空自機に発砲し、自衛隊側も応戦に至る。
中国軍は機を逃さず航空機と対艦ミサイルで反撃し、海自艦艇2隻が沈められ500人が犠牲になる。
この時点で、日中間の外交チャンネルは完全に機能不全となり、日本政府は米政府に追加支援を要請する。日中双方の米大使館は中国人に包囲され、米国の保守系メディアは米政府の弱腰を批判する。
腰を引き始める米政府
ここで一旦、シナリオを振り返る。中国側の海上警察力=海警相手になぜ、国際社会で軍隊と公認される自衛隊がいきなり出るのか? 海警による日本の活動家逮捕・拘束は武力攻撃事態ではなく、自衛隊が武力行使を前提に出撃する防衛出動も下令される合理性がない。
そもそも、海保の巡視船は外国公船に法律上、放水は禁止されている。繰り返すが、シナリオは学習不足だ。
産経新聞 2016.5.30 【野口裕之の軍事情勢】
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