16/04/25 19:26:22.57 CAP_USER.net
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今月23・24日、韓国各地が黄砂に見舞われた。済州島を除く全国のほとんどの地域に粒子状物質(PM)注意報・同警報が発令されていた。特に23日正午には、ソウルのPM濃度は215マイクログラムに達した。視界も極度に悪化し、野球ボールが飛んできてもよく見えないほどだった。公園や遊園地では、人々の姿が普段よりも目に見えて少なかった。この日、漢江公園で行われた車範根(チャ・ボムグン)サッカー教室には、1クラス14人のうち4人だけが姿を見せた。ソウルの森(都市公園)で行う予定だった子どもの誕生日パーティーを、急きょ地下のプレールームに変更した家族もいた。
春になれば外に出て、冬の間縮こまっていた体をほぐし、新鮮な空気を吸いたいと思うのが人情の常だろう。山歩きやスポーツなどのイベントも増える。全国各地で花祭りも行われ、野の花が咲き誇っているという知らせも相次ぐ。ところが最近は、かつてのように心置きなく屋外での活動ができなくなった。黄砂やPM、花粉などが際限なく飛んでくるためだ。屋内にいても、できるだけ開けるなと言われるものだから、もどかしいことこの上ない。「春を奪われた」という嘆きの声が聞こえてきそうだ。まさに「春らしくない春」といえるだろう。
PMが血液に浸透し、体全体に行きわたることで、心臓まひや肺がん、ぜんそく、呼吸器感染症などを引き起こしかねないといわれるため、外に出るのが怖くならざるを得ない。実際、空気が澄んで見える日でも、外に出ると目がひりひりし、のどが渇きやすくなることが少なくない。
1990年代には、黄砂が発生する回数は年平均で3.3回程度だった。ところが、地球温暖化によって中国北部の内陸で砂漠化が急速に進行し、黄砂の発生回数も増加している。2000年以降には、年平均8.6回の黄砂が発生し、昨年にはソウルでの観測日数が15日に達した。今月に入ってからは、毎週末に黄砂やPMが飛来し、行楽客の減少につながった。韓国気象庁と環境部(省に相当)は「週末に空気が悪くなるのは、特に理由はなく、単なる偶然だ」と説明しているが、そうとは思えないものだ。
韓国国民が「春を奪われた」と感じるほどの状況にあっても、政府は大気汚染の改善をあきらめているように思える。環境当局は、PMの場合、中国から飛来するものが30-50%を占め、残りの50-70%が韓国で発生するものとみている。だとすれば、その50-70%を減らすために、できることは決して少なくないはずだ。PMを発生させるディーゼル車を規制したり、排気ガスの排出量が多い車の都心への進入を規制したりすることなど、検討が可能な対策は一つや二つではない。国民も公共交通機関を利用し、省エネを心がけるといったことを実践すれば、PMの発生量を減らすことができる。「奪われた春」を取り戻したいのであれば、こういった対策を講じることが急務ではないだろうか。
キム・ミンチョル論説委員
ソース:朝鮮日報/朝鮮日報日本語版【萬物相】 大気汚染に奪われた韓国の春
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